決算またぎは避けるべき?
個人的には、決算またぎは避けるべきだと思っています。理由はシンプルで、決算またぎはどうしても丁半博打になりがちだからです。
今では感覚論でそう考えておりました。では実際のところ、数字としてはどうなんだろう?
本当に確率的に「「丁半博打」なのだろうか?
決算発表後、株価は上に跳ぶのか下に跳ぶのか
参考にしたのは、株の教科書というサイトが公開していた検証データです。2005年から2025年までの21年間、東証全市場の決算発表28,648件を対象に、前日終値から翌日始値までのギャップ率を7段階に分類されていました。
このギャップ率こそ、決算またぎで実際に晒されるリスクそのものです。
保有したまま決算に突入し、翌朝どちらに跳ぶかを、そのまま数えればいいわけです。
検証データから必要な数字だけ抜粋すると↓
| 反応 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 上(+1%超) | 5,912件 | 20.9% |
| 横ばい(±1%以内) | 16,758件 | 59.2% |
| 下(-1%未満) | 5,642件 | 19.9% |
参考:決算発表翌日に買うと儲かるか?好決算・悪決算別に徹底検証【2026年版】|株の教科
大半(約6割)はそもそも大きく動いていません。「動いた」場合だけに絞ると、上が5,912件、下が5,642件で、上に跳ぶ確率は51.2%、下に跳ぶ確率は48.8%でした。
ほぼ五分五分です。コイントスとたいして変わりません。丁半博打と呼んで差し支えないと思います。
では、なぜ「負ける」印象が強いのか
ここで疑問が残ります。
データ上はほぼ五分なのに、なぜ決算またぎをした人(自分含め)の多くは「負けた」という体感を語るのでしょうか。
2つ仮説を立てました。
仮説① またぐ銘柄は「期待値が高い銘柄」に偏っている
先ほどのデータは決算発表28,648件、市場に出たすべての決算を対象にしています。
誰も注目していない銘柄の地味な決算も、大化け期待の銘柄の決算も、同じ1件としてカウントされています。
しかし、実際に「決算をまたぐ」という判断をする投資家は、ランダムに銘柄を選んでいるわけではありません。
多くの場合、好決算を見込んで、期待を持って跨ぎます。つまり、またがれる銘柄の母集団は、最初から「期待値が高い銘柄」に偏っているわけです。
ここに罠があります。期待値が高い銘柄は、市場のコンセンサスもすでに高い水準に達しています。単に「良い決算」を出すだけでは足りず、そのコンセンサスを上回るサプライズがなければ、材料出尽くしとして売られてしまいます。
つまり、決算をまたぎたくなるような銘柄ほど、通過すべきハードルが高くなっているのでは?という点です。
「自分が跨ぎたい!」と思う銘柄は既に決算跨ぎのハードルが高い理論。これが1つ目です。
仮説② 勝率が五分でも、負けたときの下げ幅の方が大きいのではないか
2つ目は、勝率ではなく値幅です。
期待が高い銘柄が決算で失望を誘うと、失望売りは大きくなりやすいものです。
逆に、期待通り、あるいは期待をやや上回る程度の決算では、上げ幅はそれほど大きくならないことが多いです。むしろ出尽くしで売られることも。
つまり、「勝つときはほどほどに勝ち、負けるときは大きく負ける」という構図になっている可能性があります。
これが事実なら、勝率が五分五分でも、トータルの期待値はマイナスになり得ます。
(なお、仮説を裏付けるデータは無し)
例外的に跨いでいいと考えているケース
とはいえ、決算またぎのすべてを否定するつもりはありません。次の3つに該当する場合は、跨いでもいいと考えています。
- 含み益が十分に乗っていて、リスクを取れる場合 — 仮に決算で下に跳んでも、含み益の範囲内で吸収できるなら、実質的なリスクは限定されています。
- 配当目的で保有している配当株の場合 — そもそも値上がり益を主目的にしていないなら、決算後の短期的な値動きに一喜一憂する必要なし。
- 中長期の成長を見据えて投資している場合 — 1回の決算の反応にポジションを左右されない時間軸で持っているなら、決算またぎというより、単に「保有を続けている」だけの話になります。
裏を返せば、これらに当てはまらない、つまり含み損を抱えたまま、あるいは短期の値上がり益だけを狙って決算をまたぐのは、期待値の低い博打になりがちということかもしれません。(耳が痛い)
まとめ
決算発表後に株価が上に跳ぶか下に跳ぶかは、数字で見る限りほぼ五分五分でした。
それだけを見れば「コイントスだから五分五分の勝負」と思うかもしれませんが、実際に跨ぎたいと思える銘柄は期待値の高い銘柄に偏りやすく、負けたときの下げ幅も大きくなりやすいものです。
結論、丁半博打になりがちな構造なんだなぁ…と思いました。
